公益財団法人生協総合研究所 2015年度第9回公開研究会 東京の組合員のくらしを創造する
-2015年全国組合員意識調査からみた東京と人口集中-

○ 開催日時
2016年3月25日(金)14:00~17:00
○ 開催会場
四ツ谷・プラザエフ 5階会議室
○ 参加者
60名
○ 共催
一般財団法人 地域生活研究所
東京都生活協同組合連合会
プログラムと報告者
自治体の注目点 「東京都の人口・世帯の推移とまちづくりの課題」
堀 康一郎(東京都政策企画局 計画担当課長)
研究報告 「人口集中都市東京と周辺組合員のくらしとニーズ、生協の課題」
近本聡子(生協総合研究所 研究員)
概要

 全国的には高齢化や人口減少が課題とされるが、「一極集中」がいわれる東京では、そのあらわれ方は少し異なっているのではないか。そのような問題意識から、都市としての東京の課題やそこで活動する生協を取り巻く現状などを、自治体の担当者と研究者、それぞれの視点から解き明かしていただいた。

 前半では東京都の堀康一郎さんから、2014年に策定した東京都の長期ビジョンをもとに、人口変動の長期予測や、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けた取り組みなどについてご紹介いただいた。また、人口減少・高齢化などの現実を見据えた対策の必要性、特にソフト面でのまちづくりにおける課題が指摘された。

 後半では生協総合研究所の近本聡子さんより、2015年に実施された「2015年度 全国生協組合員意識調査」の結果、全国的な傾向とは異なり、東京の生協組合員は40歳代が60歳代と比較しても多く、いわゆる団塊ジュニア世代が集住し、特異な組合員構成となっていることが示された。また、そのような年齢構成を反映し、教育歴や年収、フルタイム率や専業主婦率が高いという東京の組合員の傾向も示され、生協への希望や期待もこれまで生協が想定してきたような特定のライフスタイルに縛られない多様性があるとの指摘がなされた。

 それぞれの報告後、経済的な格差、貧困や東京と国内の他の都市との比較、女性の就労率、コミュニティのあり方などについて活発な質疑が交わされ、盛況のうちに終了した。