研究活動

公益財団法人生協総合研究所 2015年度第5回公開研究会
地域の子育て支援を支える人々の活動~生協やNPOの子育て支援者の状況をみる~

○ 開催日時
2015年11月16日(月) 10:00~15:30
○ 開催会場
香川県青年センター
○ 参加者
37名
プログラムと報告者

香川の実情と子育て支援・利用「利用が進みすみずみ子育て/支援者の中間就労」
 近本聡子(公益財団法人 生協総合研究所)

基調講演
「子育てしやすい社会や地域づくりに必要な地域資源はなんだろう?~子育て期女性のエンパワメント研究会調査からみえる相互扶助と循環~」
 相馬直子(横浜国立大学准教授、男女共同参画推進センター兼務教員)

概要

 近本聡子氏は、香川県のデータを分析し、子育て支援者は「就労」として活動をとらえておらず、満足度が高いのに賃金は大変少ないことを指摘した。活動なので、支援者は「子育て支援がよい」「子育て支援をやりたい」「利用者からの支援者に転換した」という位置づけで参入している。

 また、該当地域では、生協による子育て支援活動を広げるという若年層ニーズにそった活動が発展していないため、生協からは「おたがいさま活動」の担当者が参加くださった。「おたがいさま活動」担当者は、一時保育や家事援助をNPOの人々から依頼されて協働しているということである。

 近本氏は、子育て支援の活動が、いったんリタイアした若い女性達をエンパワメントする効果があるだろうという仮説を披露した。また、地域の新しいニーズがでてくるので、世代交代も必要かもしれないことを示唆した。

 相馬直子氏の基調講演「子育てしやすい社会や地域づくりに必要な地域資源はなんだろう?~ 子育て期女性のエンパワメント研究会調査からみえる相互扶助と循環 ~」では、子育て期の女性をエンパワメントする要因として経済、社会、政治などのエンパワメント要因を抽出し、それを調査によって実証した。その結果、経済的エンパワメントが一番弱いという分析がされた。また、子育てと介護の調査からダブルケアの支援が重要という提起があった。

■ ワークショップ ■

 5つのグループになって、データをみての感想、ダブルケアの話、活動のひろがりと仕事の見直し、次世代にどのように繋げていくのか、などを話し合った。アンケートも28人の方の書き込みがあり、充実した会であったとの感想が出された。