研究活動

公益財団法人生協総合研究所 2015年度第4回公開研究会
地域の子育て支援を支える人々の活動~生協やNPOの子育て支援者の状況をみる~

○ 開催日時
2015年10月21日(水) 10:00~12:20
○ 開催会場
福井市地域交流プラザ 研修室601
○ 参加者
38名
プログラムと報告者

基調講演
「子育てしやすい社会や地域づくりに必要な地域資源はなんだろう?~子育て期女性のエンパワメント研究会調査からみえる相互扶助と循環~」
 相馬直子(横浜国立大学准教授、男女共同参画推進センター兼務教員)

現地の実情と子育て支援・利用「支援者の視点からみた地域子育て支援の実情」
 近本聡子(公益財団法人 生協総合研究所)

概要

 今回の公開研究会は日本生協連と連携して、福井にて開催した。

 前日に開催された日本生協連のプログラムは、① 福井県民生協からこの10年で構築した地域子育て支援について、② 生協の連携先の福井市子育て支援担当者から福井市の子育てと子育て支援の実情と生協への期待、③ コープかごしまより、組合員活動として取り組む子育てひろばの実情などの話があり、実践的で大変盛況であった。午後には福井県民生協の最新子育て支援施設のハーツ志比口と、老舗の施設で高齢者施設隣接のハーツきっずうすいを見学。ここのモデルは2050研究会提起の「集いの館」に近いものがある。しかしこの生協の努力によって10年かけたシステムであり、一朝一夕に作ることのできる仕組みではない。

 翌日が公益財団法人 生協総合研究所の公開研究会である。

 相馬直子氏の基調講演「子育てしやすい社会や地域づくりに必要な地域資源はなんだろう?~ 子育て期女性のエンパワメント研究会調査からみえる相互扶助と循環 ~」では、子育て期の女性をエンパワメントする要因として経済、社会、政治などのエンパワメント要因を抽出して、それを調査によって実証。経済的エンパワメントが一番弱いという結果。また、子育てと介護の調査からダブルケアの支援が重要という提起があった。

 近本聡子氏の、現地の実情と子育て支援・利用「支援者の視点からみた地域子育て支援の実情」では、福井県でのデータをみると、子育て支援者は「就労」としては満足しておらず、フルタイムに移行する前段階の「中間就労」という位置づけをすると、理解できるのではないかと提起。また、生協は地域に子育て支援活動を広げることによって、地域に中間就労を用意し、いったんリタイアした若い女性達をエンパワメントする効果があるだろうという仮説を披露した。生協の組合員活動全般が失ってしまった、経済的エンパワメントにもつながるのではないかとの提起があった。