「ユニバーサル就労」調査研究会- 就労支援に生協が取り組む意義 -
- ○ 開催日時
- 2015年5月22日(金) 13:00~16:35
- ○ 開催会場
- 四ツ谷・プラザエフ 地下2階クラルテ
- ○ 参 加 者
- 83名
プログラムと報告者
「研究活動の概要とその背景にある問題意識」
柳沢 敏勝(明治大学 商学部教授)
基調報告「ユニバーサル就労とは」
池田 徹(生活クラブ風の村 理事長)
「日本生協連の今後の取り組み」
山際 淳(日本生協連 組織推進本部福祉事業推進部部長)
実践報告1「農業分野での就労取り組み」
椎木修司(株式会社ハートコープひろしま 取締役事業部長)
実践報告2「行政や民間との多様な連携」
本多 敬(大阪いずみ市民生活協同組合 常務理事)
各委員の多様な実践例の概要紹介 研究会事務局
「生協における就労支援の意義と課題」
米澤 旦(明治学院大学 社会学部専任講師)
概要
生協総研では、日本生活協同組合連合会の委託を受け、2014年1月から2015年3月まで『ユニバーサル就労調査研究会』を7回に渡って開催いたしました。
ユニバーサル就労とは、「障害者手帳の有無に関わらず、障がいがあったり、生活困窮状態にあるなど、さまざまな理由ではたらきづらい状態にある方を迎え入れ、ともにはたらくこと」、「現在の雇用形態にはなじみづらい方であっても、たとえば、短時間や週1回からなど、個性や事情に合わせた多様なはたらき方」といった新たな就労概念です。今回は、研究会の調査成果を基に「さまざまな理由により働きたくても働けない方々に対し、各地の生協がどのような就労支援を行っているのか。」ということを中心に報告させていただく趣旨で開催されました。
明治大学の柳沢敏勝教授からのご報告では、現代の日本社会の抱える問題やそれに対し協同組合の価値はどうあるべきかということをお話しいただきました。協同組合原則やディーセント・ワークという視点でのお話を伺うことで、生協がユニバーサル就労を行う意義を理解させられる内容でした。
実際にユニバーサル就労を実践されている社会福祉法人生活クラブ風の村理事長の池田徹氏からのご報告では、業務分解(業務を細かく分解することで、多様な働き手を受け入れ、就労機会を増やす)の手法等、受け入れの実践等を説明いただきました。
続いて、生協ひろしまと大阪いずみ市民生協が子会社形態で行っている就労支援について実践例を中心に報告いただきました。この部分は今後の各地での取り組みの参考となる部分も多く、参加した生協関係者からは大変好評でした。
最後に明治学院大学の米澤旦講師より、「生協における就労支援の意義と課題」と題してのご報告をいただきました。生協における様々な就労支援形態を類別されたうえで、生協の社会的な存在意義等について総合的な視点からのお話しでした。
全体で3時間半の研究会でありましたが多様な報告が為されました。専門的な用語も含まれていましたが、報告者の配慮(説明時の図表、補足をしながらの説明等)もあったためか、参加者からのアンケート結果も大変高評価な公開研究会となりました。