研究活動

テーマ:「保育における親主体の協同とは
-福祉国家研究の世界的リーダー スウェーデン:V.ペストフ氏を迎えて-」(大阪会場)

○ 開催日時
2013年5月28日(火) 13:30~16:00
○ 開催会場
大阪大学 中之島センター507教室
○ 参 加 者
37名
○ 共催
日本協同組合学会 大阪大学斉藤弥生研究室
○ 後援
大阪府立大学 コラボセンター
プログラムと報告者
解題 近本聡子(生協総合研究所)
講演 (英語,逐次通訳)
V・ペストフ(スウェーデン エルスタ・シェーンダル大学市民社会研究所 客員教授)
「欧州で満足度の高い親たちによる保育の協同
-親協同は共同生産による価値を創造している-」
概要

 今回の公開研究会は、第一回の東京開催のものと同様に、スェーデンのペストフ博士を講師に、次のようなペストフ氏の主張を伺った。

  1. 2003-2010年における、民間サービス提供者による公共調達(日本の場合は保育所の民間委託に近い)の動向では、営利企業のシェアが拡大している。
  2. 1988-2010年における、保育サービス供給の動向においても、親の協同組合が担っていたところに営利企業が参入している。
  3. オストロムの概念である「共同生産」はサービス分析のための重要な概念である。サービスは提供者と受給者の対話のなかから生産されることがよい効果を生む。スウェーデンでは、現政権の「新公共管理政策」により営利企業が参入しているが、我々は「新公共統治」を提唱し第3セクターがもっとシェアをとるべきであると主張している。

 子育て・保育関連の研究者、協同組合研究者、関西の生協で子育てや保育に関心のある方々が集まり、質疑も活発であった。特に、保育の質や親の関与をどのように測定するのか、また、親の欲する保育が日本では異なる様子など、国際比較し、検討する姿勢の質問が多数出された。