研究活動

生協総合研究所 「研究員講座」第3回を開催しました。

○ 開催日時:
2016年2月1日(月)
○ 開催会場:
プラザエフ5階会議室
○ 参加人数:
27人
講師とテーマ

 「協同組合論 III 」 鈴木 岳(生協総合研究所)

概要

 第3回「協同組合論 III 」では、協同組合の思想が黎明期から今日まで時代ごとの潮流とともに解説された。

  • 先人たちが協同組合設立の試みを行ったが多くが挫折していくなか、ロッチデール先駆者組合が成功を収め協同組合のパイオニアとなったこと
  • 利用高に応じた剰余金分配を行う消費協同組合や卸売協同組合(CWS)と、利潤を労働者で分配する生産協同組合との論争が英国の協同組合陣営を二分したこと、また、その論争が生産協同組合側によるICAの設立に繋がるが、CWS側の勝利となったこと
  • ジードによる協同組合共和国論から、協同組合をどのような経済セクターに属するものと解するかについて行われたフォーケとラベルニュの論争

 といった協同組合にまつわる歴史上の出来事および経緯が紹介された。また、近年の動きとしては、ICAが協同組合原則の指針として作成しているガイダンスノートとブループリントについて解説がなされた。

 協同組合はその歴史の中で様々な論争を経ながら、「どのような組織であるべきか?」という方向性を模索してきている。協同組合関係者は過去の経緯を検証しつつ、自らの今後のあり方や課題を検討すべきであろうという点を考えさせられる講義であった。

 その後の質疑応答では、ICAのあり方や今後の協同組合の方向性についていくつかの意見が出された。(生協総研 齊藤真悟)