学習会 ― 生協総研憲法改定問題連続学習会 第3回開催報告 ―
概要
2013年6月18日(火)、飯田政之氏(読売新聞東京本社 論説副委員長)をお招きし、「憲法問題をめぐる情勢と国民的論議への提言」をテーマに、政治情勢や憲法をめぐる状況、憲法各論についてお話いただきました。
日本生協連、会員生協、生協総研から28人が出席し、講演後に質疑応答を行い終了しました。
1.開催概要
- ■日時:
- 2013年6月18日(火) 14:00~16:00
- ■場所:
- 主婦会館プラザエフ 8階パンジー
- ■講師:
- 飯田 政之氏(読売新聞東京本社 論説副委員長)
- ■参加人数:
- 28人(日本生協連、会員生協、生協総研)
2.内容
飯田さんから、はじめに2013年参院選の位置づけ、憲法をめぐる状況等についてお話いただきました。憲法問題は大きな争点にはなるが、参院選後には、消費税率引き上げの最終判断等、大きな課題もある中でそう簡単に事は運ばないのではないか、とのことでした。また、国民投票法の「三つの宿題」として、①選挙権や成人年齢の引き下げ、②公務員の政治的行為を制限した国家公務員法などの見直し、③憲法改正の対象になりそうな問題について国民の意見を聞く「予備的国民投票」の導入、の3点があり、これまで検討が進まなかったが、今後議論が本格化するとの見方をご紹介いただきました。
次に、憲法各論として、他社の社説や政党の主張と、それに対する読売新聞の社説や憲法試案等の資料をもとに、読売新聞の見解や政治的な情勢についてお話いただきました。
96条については、改憲派と護憲派それぞれの主張をご紹介いただきました。その上で、改正の難易度は世界有数か、他国よりハードルは高くないか、見直し論は最近浮上したものか、改正のための改正の例、条項ごとに異なる改正要件は可能か等についてお話いただきました。
9条に関しては、「実りある憲法論議を目指して」、「『戦後』を越えて 新憲法へ大きく踏み出す時だ」というこれまでの社説と、試案をご紹介いただきました。試案では、第1項は日本国憲法と同様で、第2項には、自衛のための軍隊、文民統制、参加強制の否定を明記しているとのことでした。
二院制については、ねじれ国会への懸念と、59条2項の改正を主張した社説と、試案をご紹介いただきました。
緊急事態条項に関する社説もご紹介いただき、重大な局面では政府がより円滑に動けるようにする法制度の整備が必要ということでした。
質疑応答では、参加者から、「自衛のための武力行使とあるが具体的にどういう形で想定されているのか」、「今の日本における国民的議論の進め方についてお考えを聞かせていただきたい」、「アジアなど周辺諸国との経済的なつながりがある一方で、憲法改正により刺激することになるのでは。」等の質問が出されました。