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刊行物情報

生活協同組合研究 2011年4月号 Vol.423

特集:若年層の家族動向と食生活

 高齢化・未婚化社会の進展で家族はますます少人数化が進んでいる。標準家族(夫婦と子2人)という「優良消費者家族」を組合員として囲い込み,事業を伸長させてきた生活協同組合はこの家族変動に対しどのように消費者ニーズを捉えなおすのであろうか。消費は家族(家計)単位のものであったが,2人以下の世帯が多数派となると,ますます個別化(個人の自己裁量で買うものを決めること)が進む。

 家族の小規模化は,個別化を被説明変数とするとプラスの要因として作用するが,経済的な先行き不透明感または悪化は,マイナス要因で個別化ではなく共有化に作用すると考えられる。そのほうが経済的に有利と考えられるからだ。例えば,子育てママたちは「本当は居酒屋メニューが好きだけど,だんなが飲まないから遠慮しちゃう」と禁酒したり,メニューを夫に合わせたりすることもあるが,本当は晩酌したいので,夫がいなければするだろう。食べ物の好みが夫と全く違うからと,もはや調整するのはあきらめて,なるべく夫が家で食べないよう仕事に駆り立てている風の人もいた。食材が決定的に不足して価格が上がったら,そのようなことは言っていられなくなるだろう。

 家族の小規模化の2大要因は,ひとつは高齢層の3世代同居率の低さで単身や夫婦家族が増加,これは欧米と同様の動きである。また,若年層の未婚化による単身世帯の増加ももうひとつの要因である。本特集では,若年層の動きに焦点をあてて,様々なリサーチを収集した。おそらく2010年の国勢調査でさらに顕著となるこの動向に,さまざまな研究が開始されているが,若年層の食生活,単身者の食調査が増加してきている。標準家族幻想をとりのぞき,実態をみるための指標となるデータや考え方をみていただきたい。

 まず,巻頭論文では,聖心女子大学・岩上真珠氏に日本の人口と世帯の動向,それに付随する家族関係の変化を「結婚と未婚」にポイントをあててデータ解説していただいた。次に,JC総研の藤本恭展氏には,調査データをもとに,野菜や果物の年齢別品目消費動向を解説いただいた。 また,久しぶりに質的調査を実施し,子育てママたちの食卓がどのようなものか,どのような方針でメニューを考え,夫や子どもと食事を楽しんでいるのか,いないのかを当研究所の近本聡子が分析した。単身者の調査が増えているなか,08年にすでに着目して調査をしているキユーピー(株)より,食生活総合調査の結果を出していただいた。また,生協の中では,きちんとした個別データを収集できているコープあいちの向井忍氏に,丹念に分析をして事業に提起をいただいた。女性たちの生協加入の年齢がまた上昇している実態や,これまでのビジネスモデルでいいのか考察いただいている。

 3月の震災後,緊縮モードが続くとライフスタイルにも相当な影響があると考えられるが,その影響も今後注視する必要があるだろう。

(近本聡子)

主な執筆者:盛田清秀,大泉一貫,安藤光義,谷口吉光,林 薫平

目次

巻頭言
生協産直の再興にむけて──TPPを強調しない理由──(大木 茂)
特集:若年層の家族動向と食生活
日本の家族・世帯の変動──未婚化,少子・高齢化,個人化のなかで──(岩上真珠)
野菜を食べない若年層──野菜・果物の消費行動に関する調査結果から──(藤本恭展)
子育てママたちの時々キラキラな食卓──グループインタヴュー調査より──(近本聡子)
単身者の食生活総合調査──2008年度キユーピー食生活総合調査より──(キユーピー(株))
組合員の加入時年齢の変化が示唆するもの──少子高齢社会への課題を読み取る──(向井 忍)
研究と調査
蛍光管の適正処理のために(原 強)
シリーズ・現代社会と生協──国際協同組合年にむけて(1)
国際協同組合年が提起すること──シリーズを始めるにあたって──(栗本 昭)
海外のくらしと協同No.21
世界の協同組合に門戸を広げたインターコープ(宮沢佳奈子)
コラム・残しておきたい協同のことば 第1回
ロバアト・オウエン(鈴木 岳)
新刊紹介・私の愛蔵書
日本ファンドレイジング協会『寄付白書2010』(山口浩平)
大内 力著『みの虫』(松本 進)
本誌特集を読んで
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