刊行物情報

【新刊のご案内】『子育て支援を労働として考える』

 本書は、生協総合研究所「子育て期女性のエンパワメント研究会」(2010~2018年)の成果をまとめたものです。

 2015年度から子ども・子育て支援新制度がスタートし、地域の子育て支援の量・質の拡充がはかられつつあります。しかし、この制度のもとで「地域子育て支援者」として働く人々の仕事は、しばしば労働とみなされず、アンペイドワークの延長線上に置かれる傾向にあります。

 本書は、生協、NPO、市民団体等、多様な組織が運営する地域子育て支援拠点に着目し、経済学や社会学的観点から、そこで働く人々の労働環境の是非を問う内容となっています。ぜひ、ご一読ください。

2020年2月20日発行 A5判・225ページ
定価(本体2,500円+税)
発行:株式会社 勁草書房

目次

序章
「子育て支援労働」とは何か(相馬直子・松木洋人)
第Ⅰ部
制度的・歴史的文脈から子育て支援労働を考える
 第1章
地域子育て支援労働の源泉 ―1990年代初頭まで(相馬直子)
 第2章
子育てする親が生成した子育て支援労働 ―非営利・協同セクターによる当事者活動の萌芽から制度化途上に(近本聡子)
 第3章
子育て支援の専門性を問う ―ケア労働の分業化と再編の中で(井上清美)
第Ⅱ部
調査データの分析から考える
 第4章
子育て支援の労働時間・訓練機会・賃金 ―労働経済学からみた「地域子育て支援労働」(中村亮介)
 第5章
どのような支援者が無償労働に従事するのか ―業務の種類と労働時間の関係に着目して(中村由香)
 第6章
地域子育て支援の制度化と非現場ワークの増大 ―横浜市を事例に(堀聡子・尾曲美香)
 第7章
子育て支援労働は地域に何をもたらすのか? ―介護保険制度の経験をふまえて(橋本りえ)
 第8章
子育て支援労働者にとっての経済的自立の困難と可能性 ―ワーカーズ・コレクティブにおける経済的報酬と働くことの意味をめぐって(松木洋人)
第Ⅲ部
子育て支援労働の課題
 第9章
地域子育て支援労働の制度化 ―1990年代以降(相馬直子)
 終章
地域子育て支援労働研究のさらなる展開をめざして(松木洋人・相馬直子)

本書に関するお問合せ・ご注文は

公益財団法人生協総合研究所 (石川弥生・中村範子・豊嶋里泉)

本書に関連する刊行物

生協総合研究所「子育て期女性のエンパワメント研究会」の成果については、本書にくわえて以下の2冊を刊行しています。是非、併せてご覧ください。

「エンパワメントにつながる子育て支援労働を考える ―子育て支援者の活動形態や働き方に関する調査最終報告書」『生協総研レポート』No.80
「ケア労働を通してみた女性のエンパワメント ―ワーカーズ・コレクティブを事例にして」『生協総研レポート』No.66