第1回
2007/5/11 |
今回は,各委員の自己紹介と各自の問題意識を提起し,事務局から研究会の課題について以下の提起を行った。生協経営が競争下でより厳しくなり,職員の働き方が変化している。個配では配送の外部委託が増え,直接雇用でない働き手が多くなり,店舗事業では非正規職員の割合が大きくなっている。経営構造を大きく変化させるため,職員の合理化を進めている生協もある。こうした中,生協職員の働き方の問題点や課題などを明らかにする。 |
第2回
2007/6/15 |
「生協労連からの報告と問題提起」では渡辺書記次長から、いくつもの資料に基づき、生協の職場の実態と生協職員の意識について報告があった。深刻化する労働者の心と体では、経営の厳しさや欠員問題が、メンタル不全などの問題につながっているとの指摘があった。組織化ではパートの層で広がり、アウトソーシング先の職員にも目を向け始めつつある。
「コープネット労働組合からの報告と問題提起」では、上田委員から「一人ひとりの声を大切に、みんなでつくろう よりよい職場と未来」のスローガンで、欠員問題や従業員満足度の実態報告があった。
「ちばコープ労組からの報告と問題提起」では、占部委員から労組分会における正規とパートの声を通して労働や職場の実態報告があった。 |
第3回
2007/07/06 |
「コープかながわからの報告と問題提起」では、仕事に対する誇りは労働の生み出す使用価値になるとの基本認識で、人間的成長を支援するため組織革新研究会やIMSを実施している。またパートの不満の99%は上司のマネジメントであり、制度よりも運用が問題とのこと。
「パルシステムからの報告と問題提起」では、個配における配送の業務委託の状況についての報告があり、1都7県の2012台の内83%が委託で、委託会社は3社が子会社で7社が民間。勤務歴は1年未満が50%をしめ、人手不足が深刻になっている。
「コープネットからの報告と問題提起」では、パート比率が高くなって不安定になっていることや、慢性的な欠員にどこも悩まされており、退職者の実態調査を労理のプロジェクトで調査し検討を始めた。 |
第4回
2007/08/03 |
「これまでの議論をふまえ今後の進め方」(西村一郎提案)では、これまでの3回の研究会における労組と理事会側の議論をふまえて、以下の共通点を提案した。(1)増加する委託先の労働実態が不明、(2)職員が重層化する中で、正規・管理パート・パート・委託の各役割分担やコミュニケーションが不充分、(3)運用の問題でミドルマネジャーが育っていない、(4)教育・訓練でのミスマッチ、(5)欠員→残業と過密労働→離職という悪循環。
議論では、特に管理パートと委託先における労働に集中し、今後は管理パート(さいたまコープにおけるエクセレント)、SM店長、エリアマネジャー、委託先の職員のヒアリングを9月から11月にかけて実施し、調査項目の設計に入ることにした。
なお2008年度の全国研究集会にも間に合うように、08年8月末に当研究会の報告書を作成することで確認した。 |
第5回
2007/09/26〜27 |
26日 さいたまコープ大ぶすま店
(売場面積50坪のミニコープで日商50万円、1日の来客300人。パート12名、アルバイト4名で運営)
キャリアパートの店長とレジリーダーから話を聞く。目標を達成し、そのことが地域に住んでいる顔見知りの組合員の暮らしに役立っていることを実感するとやり甲斐が出てくる。課題はいくつもあるが、信頼して働くことのできる職場である。責任者となって、新しく資格など学ぶことが多くて、自分の成長にも役立っている。労務管理ではコミュニケーションを重視。
27日 コープとうきょう上北台店
(450坪のSM店で、日商600万円、1日の来客は3000人。正規20名(研修の9名含む)、パート104名、アルバイト50名)
副店長は、何よりも部門におけるコミュニケーションを大切にしている。惣菜のキャリアパートは、以前に若菜で働いていた経験の持ち主で、経営をきちんと理解し、数値でもって考えるパートを実践している。 |
第6回
2007/10/19 |
(1)「コープかながわのエリアマネジャー6名からの聞き取り」では、男性5名、女性1名の職員からヒアリングをした。共通して生協の仕事に誇りを持つことができるのは、生協の商品や共済が、暮らしに役立っているとして組合員から感謝されたり、もしくは教育・訓練した部下が成長したことを実感したときである。惣菜メーカーから転職したあるマネジャーは、以前であれば品質などに不安があっても販売していたが、生協では独自検査をしているので安心して販売できるとのことであった。
(2)当研究会の感想および提言:小野好秀(一橋大学院生)では、民間営利企業との競争に対応せざるを得ない現実があり、生協の社会的使命や意義とは何か明らかにすることが大切であるとの問題提起をもらった。 |
第7回
2007/11/29 |
(1)「委託先からの聞き取り」
(2)今後の進め方と日程
(1)「委託先からの聞き取り」では、(株)コープ・アイの職員4名からヒアリングをした。委託会社の概要は、社員321人(男310人、女11人)、社員平均年齢28.4歳、在籍は社員平均で1.8年となっている。それだけ回転が速く、退職の理由は転職(将来展望、待遇面)、一身上の都合、体力面となっている。
配送スタッフは、7時半に出社し、平均して1日に70カ所(週では380から400カ所)を配達して夕方に帰社し、事務作業を終えて8時半には退社している。組合員から「ありがとう」と感謝されたときが、働きがいを感じる。
(2)今後の進め方では、これまでの4カ所でのヒアリングを整理して独自の調査項目の設計に入ることにした。そのための事務局案と各委員のメモを次回に持ち寄ることとした。 |
第8回
2007/12/14 |
(1)「聞き取りの感想」 各委員
(2)質問項目の設計に向けて(1) 事務局
(3)今後の進め方と日程
(1)「聞き取りの感想」では、各委員からメモに沿って3カ月に渡る4カ所での聞き取りの感想や意見報告があった。共通して強調していたことは、パートにおける管理職の増大と、委託先の職員の頑張りであり、それだけ生協の事業におけるパートや委託のウエイトが高まっていることになる。
(2)「質問項目の設計に向けて(1)」では、調査の目的として今日の生協における仕事の実態をまず共有し、お互いが有意義に仕事のできる環境づくりのヒントを見つけることにした。調査の方法は、アンケート形式で協力してくれる組織において配布し封書で回収する。対象者は、正規、嘱託、定時、派遣、委託、子会社の各職員で、コープネット、ユーコープ、パルシステムを中心とし、地方の生協も加えることにした。
(3)「今後の進め方と日程」では、次回までに調査項目の事務局案を作成することにした。 |
第9回
2008/01/24 |
[1]調査表の議論(1) 事務局
[2]今後の進め方と日程
[1]調査表の議論(1)では、事前に送付してあった事務局案について説明し、その後に議論した。
基本設計では、意識やビジョンとの関連だけでなく、労働の実態やキャリアパスやスキルや教育などを加え、アンケート後に政策へ反映できるような項目も入れることにした。対象者は、正規、非正規、委託とするが、対象先については委員の所属する首都圏でなく、全国を見据えて労働のタイプの異なる生協を選ぶことにした。
時間が足りず、作業チームで集中して議論して次回の研究会までに準備することにし、2月9日(土)の1日かけて打ち合わせることにした。
[2]「今後の進め方と日程」では、2月にプレ調査、3月に本調査、4月に回収、5月に集計し、その後に分析して8月末に報告書を作成し、9月20日の全国研究集会へつなげることにした。 |
第10回
2008/02/28 |
[1]調査表の議論(2) 事務局
[2]今後の進め方と日程
調査表の議論(1)では、事前に送付してあった事務局の二次案について説明し、その後に議論した。調査項目は、直接日常の仕事に関係することと、キャリアパスや社会性などについても項目を加えることにした。
実施生協は、みやぎ、ちば、さいたま、東京マイコープ、パルシステム千葉、かながわ、京都、エフの各生協で、正規100人、定時100人、委託100人の総計2400人。スケジュールは、3/27調査表確定、配布2008年4月上旬、回収4月末、集計5月末、分析6,7月、報告書の完成は8月末。
次回までに今回の議論をふまえて修正し、各委員がプレ調査(正規、パート、委託を各5人)を実施し、それをもちよって確定する。 |
第11回
2008/03/27 |
調査表の議論(3)では、各生協における正規、パート、委託の各5人によるプレ調査の結果について各委員から説明があり、正規、パート、委託の3調査表の各調査項目について議論し確定した。実施生協は、みやぎ、ちば、さいたま、東京マイコープ、パルシステム千葉、かながわ、京都、エフに、さっぽろとおおさかパルが加わり、正規100人、定時100人、委託100人の総計3000人。スケジュールは、配布2008年4月11日、回収4月25日、集計5月22日、分析6,7月、報告書の完成は8月末。全国研究集会では、今回の成果を普及することで大枠を確認した。 |
第2期 |
第1回
2008/05/23 |
(1)調査の単純集計の概要とコメント
(2)全国研究集会の企画
(3)今後の進め方と日程
(1)調査の単純集計の概要とコメント
回収状況:正規779人、パート730人、委託911人。調査がギョーザ事件や新年度に重なったこともあったが、10生協の協力もあって予想以上の回収となった。
単純集計:まだ全員分を終了していないが、各項目のおおよその傾向を把握することができる。メンタル問題やビジョンや教育などで、いくつも興味あるデータがある。
クロス集計:フェイスや設問項目同士、さらには正規とパートでクロスさせることにした。
(2)全国研究集会の企画
事務局の提案に沿って議論し担当者などを確認する。
(3)今後の進め方と日程
次回は6月26日(木)1時半から4時半 |
第2回 2008/06/26 |
(1)調査の単純集計とクロス集計について
全体としてビジョンや教育の受け止め方で弱さがある。仕事へのやる気は、正規よりパートが高い。セクハラやパワハラは正規やパートともにある。生協で子どもや知人が働くことには3割しか賛成していない。分析の視点は、1)キャリア志向、2)労働条件、3)ビジョン、4)生協に対するアイデンティティ、5)仕事満足、6)メンタルヘルス、7)市民意識、8)ジェンダーとする。読み込みを深めるため、7月18日(金)11:30から14:00まで会議をおこなう。
(2)全国研究集会の企画
各委員の報告は、原案の(仮)を全て除く。上田さんの肩書きを中央書記次長に変更する。
(3)今後の進め方と日程
次回は7月29日(火)10時から13時半 |
第3回
2008/07/29 |
(1)調査の単純集計の概要(西村)では、正規よりパートに仕事の満足や自信があること、残業は全ての層で多く、委託では過労死の目安になる月80時間以上が4.7%いる。ビジョンは知っていても自分の働き甲斐につながっている人は少ない。また生協で働くことに子どもや知人を紹介したいのはわずか3割である。
(2)禿委員からは、ジェンダーおよびキャリアについて、高田委員からは、ビジョンへの共感・労働の負荷・賃金や労働条件・メンタルヘルス・上司との関係・生協へのコミットメント、有休・同僚との関係について、山縣さんからは補足説明のコメントがあった。
(3)報告書(総研レポート)の分担
全員に役割分担し、8月25日に原稿提出、9月16日完成
(4)今後の進め方と日程
次回は8月27日(水)10時から13時半 報告書の原稿確認 全国研究集会のパネル討論の筋書き作り |
第4回
2008/08/27 |
報告
(1)報告書用各原稿のポイント
(2)全国研究集会について
[1]報告書用各原稿のポイントを報告し議論
(1)麻生:生協に対するアイデンティティーは高い。自信と満足は高い。職場の人間関係は良好
(2)西村:調査から、働きがいにつながる生協のビジョン、教育、労働環境などを評価と課題。
(3)當具:組織構造と理念、ミドル・マネジャーの役割、モチベーション
(4)大山:入協時の企業と生協の差、ビジョン、日常業務と職場運営、メンタルヘルス
(5)吉村:委託社員の概要や実態の共有化
(6)上田:パート職員を中心に職場の現状と労組の取り組み
(7)占部:ビジョンと働き方
(8)山縣:正規は生協へのコミットメント、パートは生協ビジョンの浸透、委託は給与の妥当性
(9)禿:ジェンダーの視点、キャリアパス
[2]報告書28日までに直し、9月1日に入校し、18日に完成させる。
[3]全国研究集会について
(1)参加動員の呼びかけ
(2)パネル討論の準備 事務局でストーリーを書き、9月18日4時からうち合わせ
[4]今後
単協と全国の比較をし、個別の議論できる場へ反映させる。
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