2008年度第4回公開研究会
「国際食料需給と農産物国際貿易、そして食料自給率を考える」

日時:2008年12月3日(水)13:00〜17:15
会場:コーププラザ4階
参加者:171名

 
 2008年12月3日、本年度第4回公開研究会を開催した。コープ商品の冷凍ギョーザで起こった農薬中毒事件を契機とするシリーズ「日本の食はいま――冷凍ギョーザ事件から考える」の第2弾(後編)である。

 今回は、日本の農産物・食品輸入と食料自給率低下の構造を理解し、そのうえで消費者(都市生活者)が、食生活や政策選択を通じて国内農業とどう向き合って行けるのかを考えることを目的として開催した。岩手〜福岡の広域から、171名のご参加をいただいた。

 生源寺眞一教授による第一講演では、食料自給率とは何か、その低下要因は何かについて生産サイドと消費サイドの両面について整理のうえで、消費者・納税者の支持のもと、「持続する農政」に向けて舵を切る時であると提言された。

 第二講演で中島紀一教授は、近年頻発している食品事件や食料自給率低下の事実から、国民が食と農の分離について考え始めていると指摘された。食と農の距離を埋めるために、大小様々な規模の農業の取り組みに目を向けることが重要であるとされた。

 加倉井弘氏の第三講演では、国際的な農産物の需給構造と今後の見通しが解説され、日本のポジションが明確化された。WTOの枠組みの中で、他産業ととも農業を振興していくための消費者の心構えについて示唆された。

 終了後の参加者の感想では、一つの論題についての異なる立場からの見解にふれて考えが整理されたという内容の声が目立った。また、本研究会で示された客観的な解説や問題提起を受けて、生協・消費者として日々どのように取り組んでいけばよいのかを考えたいという声も多かった。

(林 薫平)

13:05〜13:10 開会挨拶
石川 廣(生協総合研究所 専務理事)
13:10〜14:20

(テーマ1)
日本の自給率問題とその構造、解決の考え方
講演1:生源寺 眞一さん
「日本の食料自給率を考える」
(講演60分、質疑10分)

14:20〜16:30

(テーマ2)
国際食料需給の動向と農産物貿易、自給率と日本の農業、そして消費者
〜異なる二つの見方から〜
講演2:中島 紀一さん
「最近の食品事件・食料問題の体験を通して考えること
――農と食の関係性の再構築の大切さ――」
講演3:加倉井 弘さん
「世界の食料需給と日本の食料・食料自給率について」

16:30〜17:15 質疑・意見交換

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