2001年度 第1回公開研究会 開催報告
生協の価値に基づくマネジメント
2001年10月4日
「生協はなぜ価値に基づくマネジメントを必要とするのか」をテーマに、ピーター・デイビス氏からご報告をいただいた。その概要は以下のとおり。
- 成功した小売業ほど、その製品と価値が、顧客の暮らしとニードと願いを反映している。
- 顧客の暮らしのニードと願いは、おおむね顧客の中心的な価値と社会化に基づく、文化的な表現である。
- 協同組合の価値は、消費者の社会化によりよく適合しうる。というのは、協同組合の中心的な価値は、人間中心の価値、コミュニティ中心の価値に立脚するからである。それは所有制度と目的が基本的に異なるために、株式資本に基づく競合相手には模倣できないものである。
- 生協は組合員に基づく相互的な所有構造によって社会的な付加価値を提供するため、経済的な付加価値やマーケティング戦略を中軸に据える競合相手をもたない。
- 協同組合の価値に基づくマネジメントを実施するためには、「世界的レベルの協同組みあの品質」の文脈のなかでTQM方式を発展させるべきである。
- 伝統的な社会のきずなやコミュニティのきずなが弱体化している現代の大衆社会において、TQMのプロセスはガバナンスの構造よりも、よりよい組合員参加の枠組みを提供するのである。
報告のあと、協同組合の競争上の優位性、アイデンティティの問題、イギリスのCWSの現状などについて、論議が行われた。
■この報告の詳細は、生協総研レポートNo.33『ヨーロッパ生協の構造改革と未来開発』(2001.12)所収、「第4部 生協はなぜ価値に基づくマネジメントを必要とするのか」をご参照ください。
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