食育と生協の役割研究会 第1期
 

2003年9月〜2004年9月 事務局 西村 一郎

●主旨、アプローチと方法

 アレルギー症状の子どもが増える中で、食についての組合員の関心が強まり、各地の生協で食や健康に関する委員会や講演会などが組織されている。そこでは食品添加物や遺伝子組み替えといった個別の問題だけでなく、くらしや自然との関わりを重視する総合的な視点で食の問題を把握し、そのポイントを子どもに伝える食育などが議論されている。あわせて食育は、学校教育にとっても大きなテーマとなり、02年度からスタートした「総合的な学習の授業」において、食育の一部として農業体験を重視した食農教育が数多く展開されている。こうした取り組みは、各地のJAやJFなども積極的に応援している。このような国民的な課題に応えるため、小売業界でも動きが活発になりつつある。アメリカの運動を参考にし て日本で設立した「5・ア・デイ協会」には、イオングループやカスミなどが参加し、全国の小学校への働きかけを強めている。こうした中で組合員の食に責任を持つ生協の存在価値が問われており、どのように食育をとらえ、かつこの分野で発揮すべき役割りについて明らかにする。このためアメリカと日本の「5・A・DAY」運動の調査や各生協の取り組みにおける現状と課題、学校教育、保育園、JA、などの現状と課題を調べる。多面的な角度から現在進行中の先端事例などを研究会に反映させて、食育の本質に迫る。報告書を作成し,東京と京都で公開研究会を開催する。

●研究会のまとめ

 生活者サイドに引き付けた食育の定義を検討し、「一人ひとりが食に興味を持ち、食を通して生きる力を生涯にわたって発揮し、体と心を育むこと」とした。こうした食育の力は、一人ひとりの内部や豊かな日本の伝統文化の中に存在しているし、また生協の長い歴史の中でも培ってきたものである。


座長 八倉巻和子 (大妻女子大教授)
委員 菊地昌子 (科学アナリスト)
川口啓明 (科学アナリスト)
根岸久子 (農林中金研究所)
小野友紀 (保育園職員)
山中嘉代子・粕川泰子(さいたまコープ)
吉川直美 (ゆめコープ理事)

・総研レポートNo.46「体と心を育む食育:生協における食育のすすめ」(200411)
・2004年度第2回公開研究会「私たちの食育は?」(200411)








1回
03.9.8
自己紹介と各委員の問題意識:全員・生協における食の取り組み、今後の進め方:西村
2回
03.10.6
食育に関連した各省庁の動き:吉川委員・ゆめコープの取り組み:吉川
3回
03.11.11
日生協の商品開発について:松本・業界や団体における食育の取り組み:吉川
「生活協同組合研究」誌2004年4月号の企画
4回
03.12.15
医療生協が取り組んでいる健康と食:藤谷(日生協医療部事務局長)
食育を考える:八倉巻
5回
04.1.26
学校における食に関する指導について:文科省 金田
6回
04.2.23
子どもの体と心の変化から見た食生活のあり方:東京理科大 野井真吾
保育園における食育実践例:保育園栄養士 小野友紀
7回
04.3.29
子どもの体と心の変化から見た食生活のあり方:日体大名誉教授正木健雄
食育基本法について
8回
04.4.19
農林水産省出先における食育のポイントについて:農水省大臣官房統計部経営・構造統計課長 岩本隼人
9回
04.5.17
NPO みんなの食育:吉川(ゆめコープ理事)
まとめに向けて(その1):西村
10回
04.6.14
さいたまコープの食育活動:粕川(さいたまコープ)
まとめに向けて(その2):西村
11回
04.7.26
まとめに向けて(その3):西村
総研レポートNo.46、公開研究会の企画
12回
04.9.22

まとめに向けて(その4):西村
総研レポートNo.46、公開研究会の企画

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