「食の安全と信頼」をテーマに第13回全国研究集会を開催いたしました

 第13回全国研究集会が9月27日に東京の青山学院大学で開催されました。今回のテーマは「食の安全と信頼――畜産を中心に生協の課題を考える」で、全国の生協・取引先などから170人が参加し、4つの報告とパネル討論に耳を傾けました。

 なお、当日配布された資料「生協総研レポートNo.40 畜産をめぐるフードシステム」を販売いたしておりますので、当研究所までご注文下さい。

 また、本研究集会の報告内容は、「生活協同組合研究」誌2004年1月号(2004年1月5日発行予定)に掲載される予定です。

基調報告「フードシステムと食の安全・安心」
生源寺眞一(東京大学大学院農学生命科学研究科教授)

 食の安全をめぐる取り組みはどうあるべきか、食品の原材料生産から加工・流通・外食の段階を経て、消費者に至る「フードシステム」の視点からとらえるとともに、事業者として食の安全に責任をもつ生協の課題を提起した。

個別報告「食品安全行政の新しい動き」
松本恒雄(一橋大学大学院法学研究科教授)

 食品安全基本法の成立や食品衛生法の改正、食品安全委員会の発足など、「食の安全」と「公正な取引」を確保するための動きを説明するとともに、ヨーロッパの現状と比較しながら、課題を提起した。

個別報告「食の安全の危機管理と事業システム」
片桐純平(日本生活協同組合連合会常務理事)

 食の安全を揺るがす事件や製造・流通過程における不正が多発する中で、生協自身も、的確に対応し、組合員に信頼されるための事業システム構築の必要性を強調した。

個別報告「食品企業の社会的責任とコンプライアンス」
日和佐信子(雪印乳業株式会社社外取締役)

 同社企業倫理委員会委員長を務めた経験をもとに、企業行動基準や商品表示についての提言、行動基準策定の考え方について報告した。

パネルディスカッション「食の安全と信頼――畜産を中心に生協の課題を考える」

大木茂(麻布大学獣医学部専任講師):コーディネーター
坂根香(伊藤ハム株式会社技術開発部長)
沓沢豊(千葉北部酪農農業協同組合牛肉事業部長)
日和佐信子(雪印乳業株式会社社外取締役)   
伊藤進(コープネット事業連合畜産部長     

 BSE・食中毒・産地表示偽装事件などが続出する中で、生産者、製造業者、生協が、食の安全・安心を確保するためにどのような取り組みを進めているのか、さらに強化する点は何かを明らかにした。

 

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