知の市場

○ 開催日時
2015年7月22日(水) 15:00~16:30
○ 開催会場
大東文化大学 板橋キャンパス(高島平)
講師とテーマ

 山内 明子(生活協同組合コープみらい)
 「生協の現在と未来」

概要

 4月に開講した知の市場「生協社会論」も、7月22日で全14回の講義がすべて終了しました。大学で初めての講座でしたが、毎回約100人の学生が聴講してくれました。事業から社会活動まで、生協が取り組んでいる活動を駆け足で見てきた半年でした。講義を通して、大学生に、生協の姿はどう映ったでしょうか?
 最終回は、全体のまとめの意味も込めて、コープみらいの山内明子さんに、生協の現状と今後について講義していただきました。ご自身の体験を交えた講義を、中国文学科3年のKSさんが以下のようにまとめてくれました。

 今回の講義は「生協の現在と未来」についてです。生活協同組合コープみらい執行役員の山内明子さんを講師に迎えお話しいただきました。
 はじめに、山内さんが海外の生協について、そしてそこで経験したことをお話ししてくださいました。
 世界に272ある組織“ICA”(International Co-operative Alliance)の中で、山内さんはアジア太平洋地域事務局へ赴任し、協同組合におけるジェンダー課題へ取り組んだそうです。ジェンダーとは、男女の社会的・文化的役割の違いのことです。インドでは、女性は牛を飼育し、その牛の乳を搾り、売る。こうした女性協同組合による活動により女性たちはお金を得ることができ、ここでの収入を子どもの教育へ回すことができるのです。
 世界共通のCO・OPの特徴は、(1)同じ立場(社会的地位、課題)の人が参加 (2)事業を通じて共通のニーズに応える (3)事業経営・意思決定への参画を通じて運営力をつける、ということです。つまり人々は育ちあい、励ましあい、そして何より自身の眠っている力を引き出すことができるのです。例えば、家庭の事情により学校へ行けず字が読めない非識字の人々が参加し励ましあい、また、出し合ったお金で映像を見ながら字を学習していくことだってできます。
 世界には生協の活動により新たな可能性が広がり、心身ともに豊かになってゆく人々がいるのだと、お話を聞いて改めて実感しました。
 さて、人々のニーズは時代に合わせ変化していきます。今日本では少子高齢化に伴い、地域の支えあい、つながりづくりが必要とされています。CO・OPでは住みなれた地域でくらしたいという人々の声に応えるべく、様々なサービスを行っています。自分でカロリーや成分管理をしなくてもよい夕食などの配達や、地域の事業者と連携した見守りネットワーク、いつまでも元気に暮らすための生活支援・介護予防など、これらの事業や活動により我々の生活は支えられているのですね。
 最後になりますが、全14回の講座を受講させていただきました。実は、生協についてほとんど知らなかった私ですが、今では生協が地域社会と向き合うすがたに、自身も地域へ貢献したいという意思も芽生えてきました。地域を支え、そして豊かにする生協は、今後も我々の生活において重要な存在であり続けるでしょう。

 大東文化大学での今年度の講座は、これで終了しましたが、来年度も開講を予定しております。今年度の受講生の意見、感想などを基に、来年度の準備をしていきます。