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刊行物情報

生活協同組合研究 2017年9月号 Vol.500

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生活をめぐるリスクと共済事業の役割

 日本は超長寿化の時代に向かって進んでいる。2007年に日本で生まれた子どもの半分は,107歳まで生きると予想されている。「人生100年時代」に向けて,既に歩みだしているといえるだろう。来るべき超長寿社会に向け,これまでの「教育→仕事→引退」の3ステージの人生ではなく,生涯で複数のキャリアを持つ“マルチステージ” の人生の再設計が必要だと書いた『ライフ・シフト』(リンダ・グラットン著)が,今話題を呼んでいる。

 長寿化・高齢化が進む中で,私たちのくらし,とりわけ高齢者の生活をめぐる環境は,大きく変化している。より健康で,より快適に,さらにより積極的に自分の「人生を築いていく」ためには,生活をめぐるリスクをしっかり認識して,それに適切に対処していく必要がある。

 今回の特集は,高齢者の生活を考えるときに欠かせない健康維持と経済的な蓄えをめぐる諸問題を取り上げ,そうした課題にどう対応するか,また生協や共済事業がどのように関わっていくのか,どのような役割があるか,を考えていくことを目的としている。

 江澤論文は,「人生を築いていく」上では生活設計が重要であり,それを遂行していくためには種々の生活関連リスクへの対応として,生活保障設計が必要となる。世帯の多様化が進む中で,生協共済団体が,組合員それぞれの世帯や人生観に対応した生活保障設計を立てる取り組みをさらに広げていくことが求められていると述べている。

 伊藤論文は,高齢者が良い暮らしをしていくためには,金融知識や金融に関する判断力といった金融能力が欠かせないが,系統的な金融教育を受けてこなかった高齢者の金融知識をめぐる問題,また認知能力の低下や認知症の金融に関する判断力への影響を紹介する。そのうえで,高齢者の資産管理等の相談・支援体制に向けた課題を提起している。

 上田論文は,北海道で広がっている「地域まるごと元気アッププログラム(「まる元」)を事例に,この取り組みが高齢者の運動機能向上,認知機能の低下予防にどのように効果を発揮しているかを,紹介している。

 石井論文は,長寿化やライフスタイルの変化に対応して,生命保険会社がこの数年あいついで発売している新しい保険商品・サービスについて解説する。これに対し,共済団体は相互扶助文化の再構築が求められていると問題提起している。

 コラムでは,共済団体での地域におけるささえあい活動とその活動への組合員参加の実践,およびアメリカのフラターナル組合,イギリスのヘルスケア団体の相互扶助活動の事例を取り上げた。

 今回の特集が,長寿化・高齢化にともなう生活関連リスクの諸問題と,生協共済の関わり方や役割を考える上での参考になれば幸いである。

(小塚 和行)

主な執筆者:江澤雅彦,伊藤宏一,上田知行,石井秀樹,玉永香織,伊藤由理子,横溝大介,宮正一洋

目次

巻頭言
『生活協同組合研究』500号に寄せて(蓮見音彦)
特集 生活をめぐるリスクと共済事業の役割
生活保障設計と世帯の「多様化」(江澤雅彦)
高齢者の金融ケイパビリティ問題と相談・支援体制(伊藤宏一)
ソーシャルビジネスによる高齢者の健康増進プログラム「まる元」(上田知行)
長寿化・介護リスクへの保険会社の対応──生命保険商品・サービスの新たなトレンド──(石井秀樹)
コラム1 地域のささえあい活動を支援するCO・OP共済の助成事業(玉永香織)
コラム2 地域の福祉のゆたかさにつながる生活クラブの共済事業(伊藤由理子)
コラム3 組合員参加とコミュニティへの貢献──スライベント・フィナンシャルの実践──(横溝大介)
コラム4 イギリスの金融相互扶助組織のヘルスケア事業(宮正一洋)
研究と調査
賀川豊彦の協同組合保険(共済)思想に学ぶ(和田武広)
小特集通巻500号を記念して・特集一覧(1~500号)
(笹野武則,壽原克周,大木 茂,近本聡子,鈴木 岳)
時々再録
2047年問題を知っていますか(白水忠隆)
本誌特集を読んで(2017・7)
(土田 修・高田公喜)
研究所日誌
アジア生協協力基金2018年度・助成金一般公募のご案内
2017年度公開研究会(東京9/12,京都10/18)
スイスの二大生協の歴史と現況
第27回全国研究集会のご案内(9/30)
地域における生協共済の役割とは何か