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刊行物情報

生活協同組合研究 2016年2月号 Vol.481

特集 : 人手が足りない! その真実と,今後の対応

 人手不足の「実相」――人手不足に直面している企業・業界がとるべき対応策――

 人口減少時代である。特に少子化の進行による生産年齢人口の減少が著しい。

 総人口が2000年1億2,752万人から2014年1億2,708万人へと微減に留まる一方,生産年齢人口は同期間に8,638万人から7,785万人へ9.9%も減少している。ピークだった1995年8,700万人に比べると実に900万人以上の減少だ。若年層を見ると1990年から2013年にかけて,15~19歳は1,007万人から605万人の40%減,20~24歳は880万人から621万人へと30%減少している。出生数が辛うじて100万人を超える近年の動向を見れば,若年層の人口減少は今後一段と加速する。労働力人口も一貫して減少しており,今後,女性・高齢者の就労が進んでも2025年にかけて300万人近く減少するとの見方が大勢だ。この労働力の減少が失業率の低下に結び付き,失業率はほぼ完全雇用の3.5%前後で推移している。マクロで見る限り,就職氷河期ならぬ「採用氷河期」(Chain Store 2015.9.1)に入った様相すら呈している。

 反面,ミクロで見ると様相はそう単純ではない(以下,2015年5月の数字)。大手金融機関に代表される大都市の事務的作業の求人倍率は1倍を大きく割り込み0.3倍。人手不足とは無縁の世界だ。他方,建設・土木2.59倍,介護・サービス2.24倍,輸送・運転1.8倍などでは求人倍率が高止まりしている。ただし,有効求人数の内訳で見ると前年同月比で非正規は4.2%増だが,正規は0.9%減である。正規の求人数は減っているのだ。飲食・旅館・ホテル・食品小売といった労働集約型且つ「非正規だのみ」の色合いが濃い業種で人手不足が深刻化していると言える。運転・食品小売・非正規,そのいずれもが生協の事業と密接不可分なエレメントだけに,各地の生協で人手不足の声が聞こえるのも当然かもしれない。

 正規では介護と情報サービスで人手不足が表出している。介護は今さら言うまでもないだろう。団塊世代全員が後期高齢者になる2025年までに少なくとも90万人の新規雇用が必要とされている。情報サービスでは6割近い企業で専門的なエンジニアが不足している。ここでは,時代が求める人材の需給にアンマッチが生じている。また,生協の属する流通業の有効求人倍率が5.65倍と突出している。給与水準,労働条件(特に土日祝日勤務)の両面で,学生たちの不人気業種になっているのだ。正規での人手不足も,このようにその背景は様々である。

 本特集では雇用,産業構造,企業福祉,労働条件の専門家に人手不足の「実相」と人手不足に直面している企業・業界(大きくは日本社会)がとるべき対応について知見を披露していただく。

 リクルートワークス研究所の戸田淳仁氏は企業への採用動向アンケートをベースに,最新の「人手不足の実態」をレポート。経営コンサルティングとM&Aを主要事業にされているフロンティア・マネジメント株式会社代表取締役の松岡真宏氏は産業再生機構時代(カネボウやダイエーの取締役に就任)のご経験を踏まえ,日本の流通業界が持つ問題点を人手不足と絡めて指摘され,山梨大学の西久保浩二教授はご専門の福利厚生制度・社会保障の視点で人手不足解消に向けて社会・企業が取り組むべき課題を明示される。そして,労働政策研究・研修機構の特任フェロー小杉礼子氏は労働力供給に制限がある中での職業教育・職業能力開発,生産性向上のための取り組みのあり方について問題提起される。

 本特集が人手不足に悩んでおられる生協の方々の問題解決の一助になれば幸いである。

(藤井晴夫)

主な執筆者:戸田淳仁,松岡真宏,西久保浩二,小杉礼子,宮崎 元,小塚和行

目次

巻頭言
人を活かせない会社と社会──劣化する経営能力(武田晴人)
特集 人手が足りない! その真実と,今後の対応
人手不足の実態と課題(戸田淳仁)
人手不足は過剰設備問題の可能性(松岡真宏)
深刻化する人手不足に対応する労働市場でのブランディングを(西久保浩二)
人手不足下での職業能力開発と生産性の向上を考える(小杉礼子)
コラム1 人手不足が,生協の配送業務に与えている影響と対策(宮崎 元)
コラム2 生協の人事労務上の課題(小塚和行)
コラム3 学生に生協理解を広げる「協同」体験セミナー(小塚和行)
海外情報
2015 ICAアンタルヤ総会~「ブループリント」達成に向けた中間点(伊藤治郎)
地域戦略に重心を置く英国ミッドカウンティズ生活協同組合──伸長するサービス部門と地域ニーズ──(近本聡子)
時々再録
仕事と介護の両立を進めるために(白水忠隆)
研究と調査
柳田国男の消費組合論(上)(堀越芳昭)
(第2期)生協論レビュー研究会(4)(鈴木 岳)
本誌特集を読んで(2015・12)
(望月 健,吉岡尚志)
私の愛蔵書
日野原重明著『十歳のきみへ』(林 美絵)
研究所日誌
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