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研究活動

第29回全国研究集会を開催しました

 第29回全国研究集会は、「生協職員が活き活きと働き続け、定着できる職場づくりのために:生協の未来を担う人材の確保と育成」と題し、明治大学リバティホールで開催し、206名の参加を頂きました。

 今回の全国研究集会では、2017年4月に立ち上げた「ワークライフバランス研究会」の調査結果をもとに、人手不足が深刻化し、採用拡大と定着が急務となる中、職員が自らの希望する形で仕事と生活のバランスを取りつつ、意欲的に仕事に取り組めるようにするためにはどうすれば良いかを議論しました。参加者からは、自生協の人事制度に活かすことができるような有用な知見が多かったと、好評でした。

 第1部では、非正規雇用の拡大、高齢労働力人口の増加、といった労働市場の変化を受けて、企業(生協)に以前よりもさらに多様な人材のマネジメントが求められるようになった状況をとりあげ、どのようなマネジメントが望ましいのかを議論しました。
 まず、平田未緒氏(株式会社働きかた研究所代表取締役)から基調講演をいただきました。この報告では、多様な人材をマネジメントするにあたり企業(生協)側が考慮しなければならないことは、労働者にとって「働くことで得られる価値(例:経済的なゆとり、社会的地位、自己実現、福利厚生など)」だけでなく「働かないことで得られる価値(例:時間的なゆとり、税制的な優遇、家事が行き届くなど)」があることだ、という指摘がありました。そして、労働者の定着率向上のためには、前者だけでなく後者も充実させられるようなマネジメントが必要ではないか、という提起がありました。

 続いて、中川敦士氏(福井県民生協常務理事)から実践報告をいただきました。福井県民生協は、全国の地域生協の中でも先進的な取り組みを行っており、その紹介がなされました。特に、多様な働き方に対応できる雇用フレームとして7つの雇用形態を設けており、労働者が自分の希望に応じて、労働時間、職種、勤務地等を選択することができるようになっている点、さらには業務の繁閑にあわせて3か月単位でのフレックスタイム制度が導入されている点などについて、報告がありました。

 パネルディスカッションでは、平田氏と中川氏に加え、梅崎修氏(法政大学キャリアデザイン学部教授)、島崎安史氏(エフコープ常務理事)にご登壇いただきました。そして、企業(生協)内で増加する高齢層の職員やパート・アルバイト職員の活躍のためには、どのよぅな仕事の割り振りや人事評価制度が適切か、といった点について議論が行われました。

 第2部では、多様な人材が活き活きと働き続けるためには、良い管理職の育成が欠かせないという観点から、管理職が備えるべきスキルとは何か、どのように部下をマネジメントすべきかについて、議論が行われました。
 まず、佐藤博樹氏(中央大学ビジネススクール教授・東京大学名誉教授)から基調講演をいただきました。この報告では、管理職には多様なスキルが求められるものの、とりわけ「ヒューマンスキル(コミュニケーションをとり、他者を理解し、仕事を任せるなど、他者と強調して仕事をする能力)」が重要であるとの指摘がありました。その上で、管理職への登用基準は、多くの場合、現場の仕事で業績を上げた者が登用される仕組みになっており、ヒューマンスキルの高さが考慮されていないこと、自分とは異なる価値観を持った多様な部下をマネジメントするためには、管理職のヒューマンスキルが不可欠ではないか、という提起がありました。

 続いて、石井亮氏(コープみらい・コープデリ連合会人事教育統括部長)に実践報告をいただきました。コープみらいでは、2018年以降、働き方改革に注力しており、その一環として管理職の中で高いコミュニケーションスキルを持っている者を集めて、日常的に部下に対してどのような接し方をしているのかを調査し、それを他職員と共有することで、管理職のコミュニケーションスキルの向上につなげていること等が紹介されました。

 パネルディスカッションでは、佐藤氏と石井氏に加え、島貫智行氏(一橋大学大学院経営管理研究科教授)、小野晶子氏(労働政策研究・研修機構主任研究員)、近藤麻子氏(日本生協連全国生協・人づくり支援センターセンター長)、川端宏一氏(コープあいち管理本部統括部長)にご登壇いだきました。そして、生協職員を対象としたアンケート調査やインタビュー調査の結果をもとに、実際の生協の現場において、管理職の資質が高い場合に部下の定着意思も高くなるという点や、生協の経営理念の浸透が職員の定着意思を高めるという点が実証的に指摘されました。その上で、経営理念の浸透や管理職の資質向上のために、現場で何をすべきかについて活発な議論がなされました。

 今回の研究集会の目的は、人手不足が深刻化する生協の現場に直接的に役立つ知見を提供することでした。登壇者に、研究者、地域生協、日本生協連の方々を迎えることで、学問的知見と実践的知見を融合し、生協職員の労働環境や教育制度をどのように改善すべきかについての具体策を提案することができたと考えます。実際、参加者からは、自生協に直接活かすことができる有用な知見が得られたという感想をいただく等、生協の現場に役立つ内容となったのではないかと思います。今回の研究集会の討議が、生協職員の働き方の質の向上に寄与し、全ての職員が生協で働くことに誇りをもてるような環境整備に役立つことを期待します。

 第29回全国研究集会の報告は『生活協同組合研究』2020年1月号に掲載されます。合わせてご覧下さい。

プログラム

主催校挨拶
 山部俊文(明治大学教授、生協総合研究所理事)

開会挨拶
 中嶋康博(生協総合研究所理事長、東京大学大学院教授)

■第1部 多様化する職員とダイバーシティ経営
基調講演① 「多様化する職員とダイバーシティ経営」
 平田未緒(株式会社働きかた研究所代表取締役)

実践報告①「多様な働き方ができる人財活用の取り組み」
 中川敦士(福井県民生協常務理事)

パネルディスカッション①「多様な職員を活かす働き方と組織の在り方を考える
【座 長】平田未緒(株式会社働きかた研究所代表取締役)
【パネリスト】梅崎修(法政大学キャリアデザイン学部教授)
島崎安史(エフコープ常務理事)
中川敦士(福井県民生協常務理事)

■第2部 職場マネジメントの現状と課題
基調講演② 「職場マネジメントの現状と課題」
 佐藤博樹(中央大学ビジネススクール教授、東京大学名誉教授)

実践報告②「『組織の理念共有・共感』への取り組みと、『働き方改革』の取り組み」
 石井亮(コープみらい・コープデリ連合会人事教育統括部長)

パネルディスカッション②「生協の職場マネジメントと理念の共有・共感を考える」
【座 長】佐藤博樹(中央大学ビジネススクール教授・東京大学名誉教授)
【パネリスト】島貫智行(一橋大学大学院経営管理研究科教授)
小野晶子(労働政策研究・研修機構主任研究員
近藤麻子(日本生協連全国生協・人づくり支援センターセンター長)
川端宏一(コープあいち管理本部統括部長)
石井亮(コープみらい・コープデリ連合会人事教育統括部長)

閉会挨拶
 和田寿昭(生協総合研究所専務理事、コープ共済連理事長)