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海外報告
ICA-AP(国際協同組合同盟のアジア太平洋地域)女性委員会参加報告【近本聡子】

海外主張の課題と目的

 ICA-AP(国際協同組合同盟のアジア太平洋地域)女性委員会への参加

日 程・訪問地

 2018年12月7日~8日 マレーシア・クアラルンプール

報告

ICA-APの女性委員会

 国際協同組合同盟のアジア太平洋地域の女性委員会は、経済的には主に日本生協連の資金協力で開催されている。神戸大会の時(2014年)には、近本も日本の生協の女性職員がまだジェンダー差別のなかにあり、非正規労働では9割女性であることや、女性管理職比率がまだ20%に到達していないことなど、報告させていただいた。また、同時に福井県民生協がどのように女性管理職比率30%を達成したのかを、福井県民生協の内麻さんから報告いただいいた。それから、ペーパーなどをみてはいたものの、実際に参加はしていなかったが、今回研究委員会に参加できなかったため(イラン開催だったことから)、マレーシアで急きょ開催されることになった女性委員会にオブザーバーとして参加させていただいた。

女性についてのデータ収集は重要

 日本、韓国、マレーシア、インドネシア、イラン、ネパール、初参加のオーストラリアなど日本を含む10カ国以上から、のべ40人余りが参加した。各国の女性のおかれた状況や、協同組合によるエンパワメントが報告され、日本の生協は実態も、また、データ収集についても、かなり遅れていることを感じた。

 たとえば、実態として管理職比率が低い状況が続いていることや、組合員がいまだに9割が女性で性別役割(食事作りは女の仕事)が強すぎることなどである。ここ30年それほど大きく変動していない。

 ディスカッションでは、まず、女性についての(つまり性別に分けた)統計データが不足していることが議題になり、それぞれ、ナショナルセンター機能をもつ連合会や担当部局のデータ収集に何が必要なのか、ということについて具体的にディスカッションした。

 たとえば、年齢別にみた職員の女性比率、組合員の女性比率など、基本的なものがない。これらを収集しましょう、という話をした。若年層で女性が増えれば、管理職への比率も上がる可能性があるから動向分析に役に立つことなど。

 また、組合員については、日本では全国生協組合員意識調査などで分かるが、ネパールやマレーシアではもっと詳細な統計をもっており、国ぐるみで協同組合を推進している各国においては情報収集も的確だと感想をもった。協同組合の存立基盤は、日本では市民の自主的な活動と事業から成立しているが、憲法や協同組合推進法など国が促進している協同組合(日本でも戦後の農協はかなり国策先行であるが)は構成メンバーも統計把握しやすいようだ。日本の生協・他協同組合でも女性に関するデータを詳細に集めて議論する必要がある。なぜなら、政府主導の女性の活躍推進という声だけでは、どういう構造が活躍を阻害しているのか不明である。阻害するモノがみえないとエンパワメント方法が構築しにくい。