海外報告
オランダ生協 店舗視察報告【鈴木 岳】


●アムステルダムの駅とトラム

海外出張の目的

オランダ生協視察

日程・訪問地

2016年5月下旬 オランダ・アムステルダム

報告

オランダ・アムステルダム近郊の生協店舗視察

 2016年5月下旬、スペイン・アルメリア行きのため、往路にKLMオランダ航空機を利用することになり、乗継地のアムステルダムで1泊する機会を得た。そこで市内にあるオランダ生協(コープ・ネーデルラント)の店舗を探し、視察したので小報したい。

 九州とほぼ同じ面積4万2000km2、1700万人のオランダ国内にあって、現在250店舗を擁するオランダ生協の状況については、かつて堀内聡子さんが『生活協同組合研究』2013年9月号(pp.19-25)の「再生したオランダの生協」に詳細が掲載されているので参照されたい。

 かつて東京駅のモデルといわれた(但し、この説は近年否定されている)レンガ造りのアムステルダム中央駅からトラム(路面電車)16号線に乗り20分弱でAmsterdam Albert Cuypstraatの停車場、それから少し迷うがオレンジ色をロゴに用いる小規模な店舗に行き当たった。アムステルダムの中心街なので道は狭く、駐車場はない。そのかわり、市中は自転車が圧倒しているので、写真(上)の如く駐輪が多い。


●店舗入り口にはガチャガチャも並ぶ

 基本は年中無休、月~土曜が8~21時、日曜も10~20時まで営業している。入り口には販促チラシやメンバー勧誘のチラシ、刊行配布物がある。外にはいわゆる「ガチャガチャ」(カプセル・トイ)もある。

 間口は狭いが、中は曲がって横に通路が5本あり、島式の野菜・果物から始まり反時計回りの構造である。欧州では通例のセルフの量り売りも当然ある。その後は魚介、食肉、調理済みのガラスドアケース、さらにチーズや乳製品などが壁沿いに並ぶ。奥はブドウ酒のコーナーがそこそこの広さがあり、COOPブランドもいくつかある。もちろん他の商品にもCOOP商品がある。片側は冷蔵不要のハム類と、ツナやイワシなどの缶詰がある。


●コープ商品のハムの陳列棚

 フェアトレードの商品もコーヒーやブドウ酒などにある。オランダではかつてスペイン領の時代があったせいなのか、南欧のシェリー類、ポルトも並んでいる。別のコーナーにはビール、街内にあるデポジット機器に収納することによって商品購入券が少額出るビール瓶が多い。ただ缶ビールもある(なお、アムステルダム市内のゴミ捨て場を見る限り、整然と捨てられているようには見えなかった)。

 最奥にインストアベーカリーがあり、バゲット0.99ユーロなど、物価の安くないオランダとしては安価に思える。日用品や消耗品もあり、レジ近くには雑誌類が並ぶ。

 レジは2つあるが、ときどき1つの稼働となる。ベルトコンベアー式の前に欧州風に座った女性が概して切れ目なく並ぶ利用者をさばいていた。品出しの女性が一人、周りを見回している男性が一人。街中ということで、購買点数は少なく、もちろん買い物袋は出なかった。場所柄か、身近に自転車でこまめな回数利用する利用者が主流のように映った。