研究活動

常設研究会 ― ユニバーサル就労調査研究会 ―

第4回
2014.08.04
講 演: 山田 雅穂(中央大学総合政策学部 兼任講師)
テーマ: 「障害者の雇用・就労政策の現状と今後の展望 -障害者権利条約とISO26000を中心に-」
報 告: 川端 宏一(コープあいち 人事総務部長)
             佐藤 忠義(コープあいち ユニバーサル就労企画室担当部長)
テーマ: 「コープあいちのユニバーサル就労への取り組み」
報 告: 萩原 優騎(生協総研 研究員)
テーマ: 「中間アンケート結果概要報告」
  1. 講演 「障害者の雇用・就労政策の現状と今後の展望 -障害者権利条約とISO26000を中心に-」
     山田雅穂氏(中央大学総合政策学部 兼任講師)より、日本における障がい者雇用状況が報告された。
     また、ISO26000が示す「組織の果たすべき社会的責任」が障がい者雇用にどのように反映されるべきか(例:障がい者雇用に際し現場でとられるべき「配慮」)という点について説明いただいた。
  2. 報告 「コープあいちのユニバーサル就労への取り組み」
     当研究会委員である川端宏一氏(コープあいち人事総務部長)より、コープあいちにおけるユニバーサル就労の位置づけや実践に向けての方針、佐藤忠義氏(コープあいちユニバーサル就労企画室担当部長)より、具体的な進め方と見えてきた課題が報告された。コープあいちの特徴として、定年後の職員の雇用をユニバーサル就労計画に含めている点があり、その意図や経緯について委員からの質問が出された。
  3. 報告 「中間アンケート結果概要報告」
     事務局萩原優騎より、委員を対象に行ったアンケートの結果が報告された。
     前回までの3回の研究会を通して見えてきた今後への課題、障がい者就労とユニバーサル就労の関係等について各委員から出された意見の共有化を行った。
第3回
2014.05.27
講 演 : 福原 宏幸(大阪市立大学大学院 教授)
テーマ : 「中間的就労はどうあるべきか」
報 告 : 本多 敬(大阪いずみ市民生協 常務理事)
テーマ : 「大阪いずみ市民生協グループの取り組み紹介」
報 告 : 永井 啓一(大阪府みどり公社 農政チームマネージャー)
テーマ : 「農と福祉の連携」
  1. 講演 「中間的就労の現状」
     福原宏幸氏(大阪市立大学大学院 教授)より、①生活困窮者自立支援モデル事業における中間的就労のガイドライン内容②中間的就労の意義・役割の検討③中間的就労を担う社会的企業と社会連帯について説明をいただいた。
  2. 報告 「大阪いずみ市民生協グループの取り組み紹介」
     当研究会委員である本多敬氏(大阪いずみ市民生協常務理事)より、障がい者就労の取り組みと中間的就労受け入れに向けた準備状況について説明がなされた。また、生協の事業を通じて社会の問題・課題の解決を目指していくという志、事業の概況・施策が報告された。
  3. 報告 「農と福祉の連携」
     永井啓一氏(大阪府みどり公社)より、「農業への障がい者就労職域の拡大」をテーマとした報告をいただいた。担い手不足により遊休化が進んでいる農空間を障がい者雇用の場とする取り組みについて、「なぜ障がい者雇用の場として農業が適しているのか」「行政がどのような支援を行っているのか」という点から説明いただいた。研究会開催前にいずみエコロジーファームの見学を行っていたため報告内容と視察内容をリンクさせることができ、参加者からも好評であった。
第2回
2014.03.25
講 演 : 且田 久雄(株式会社ダックス四国 代表取締役社長)
テーマ : 「エフピコグループの障がい者雇用と民間企業での障がい者雇用の現状」
報 告 : 村城 正(社会福祉法人 協同福祉会 理事長)
テーマ : 「協同福祉会におけるユニバーサル就労の取り組み」
報 告 : 吉島 孝(みやぎ生協 総務部長)
テーマ : 「みやぎ生協の障がい者就労の現状と今後の課題」
  1. 講演 「エフピコグループの障がい者雇用と民間企業での障がい者雇用の現状」
     且田久雄氏(株式会社ダックス四国 代表取締役社長)より、エフピコグループでの障害者雇用状況が報告された。エフピコグループは障害者雇用のリーディングカンパニーであるが、障がい者をCSR的な発想ではなく「戦力」として雇用しており、「社会貢献ではなく、業績をあげるために障がい者を採用しているのだ」ということを様々な事例を交え説明いただいた。
  2. 報告 「協同福祉会におけるユニバーサル就労の取り組み」
     当研究会委員である村城正氏(社会福祉法人協同福祉会理事長)より、ユニバーサル就労への取り組み状況が報告された。取り組みを始めるに至った背景としての今日の社会の在り方の問題、実際の就労の事例、そこから見えてきた課題について語っていただいた。ユニバーサル就労を進めていくには、雇用する法人の体制作りはもちろん、社会的認知を進めて行政の理解や法整備が必要であることを認識させられる内容であった。
  3. 報告 「みやぎ生協の障がい者就労の現状と今後の課題」
     当研究会委員である吉島孝氏(みやぎ生協総務部長)より、みやぎ生協における障がい者雇用の状況が報告された。障がい者雇用を特例子会社でなく生協本体で行っているため、職場定着等、前回報告とは異なった点が課題として挙げられ、委員からの質問も多くなされた。
第1回
2014.01.28
講 演 : 本間 貴明 (厚生労働省 社会・援護局 地域福祉課 課長補佐)
テーマ : 「生活困窮者への新たな支援制度について」
報 告 : 椎木 修司(株式会社ハートコープひろしま 取締役事業部長)
テーマ : 「生協ひろしまの障がい者就労の現状と今後の課題」

 障がい者就労や、働きにくい状況におかれている方々への生協の就労支援のあり方を検討することを目的とし、日本生協連からの委託を受け設置された研究会として第一回が開催された。

 初めに、研究会座長として明治大学教授の柳沢敏勝氏が選任された。続いて、以下の講演・報告が行われた。

  1. 講演 「生活困窮者への新たな支援制度について」
     本間貴明氏(厚生労働省社会・援護局地域福祉課課長補佐)より、生活困窮者対策として平成27年4月1日に施行される「生活困窮者自立支援法(平成25年法律第105号)」の概要を説明いただいた。
     生活困窮者個々人の状況に応じた支援を包括的・継続的に行って自立を支援する新たな制度内容や、その支援により期待される効果についての解説がなされた。
  2. 報告 「生協ひろしまの障がい者就労の現状と今後の課題」
     当研究会の委員である椎木修司氏(株式会社ハートコープひろしま取締役事業部長)より、生協ひろしまグループにおける障がい者雇用の状況が報告された。
     生協ひろしまがどのような経緯で障がい者雇用に至ったかの経緯、特例子会社立ち上げ時の苦労等についてお話しをいただいた後、障がい者雇用を開始した後の状況や思いを説明いただいた。
     障がい者就労の実際についてのお話であったため、委員からも多数の質問がなされた。