研究活動

常設研究会 ― 生協共済研究会(第12期) 第5回報告 ―

○ 開催日時
2017年12月11日(月)15:00~17:35
○ 開催会場
プラザエフ5階 会議室
○ 参加者
37名(委員8名、オブザーバー22名、事務局7名)
テーマ
報告者:
大塚 忠義(早稲田大学)
テーマ:
「地震等大規模災害補償に対して生協共済ができること」
報告者:
崔 桓碩(八戸学院大学)、補足報告:岡田 太(日本大学)
テーマ:
「ICMIF2017年総会に参加して」
概要

1.報告①「地震等大規模災害補償に対して生協共済ができること」

  • 大塚委員より、研究の背景・動機および目的(生協共済は地震保障の普及のため何が貢献できるか)、地震保険の概要(地震保険は地震保険法に基づく制度で総支払限度額が11.3兆円)、共済が提供する地震補償の概要(JA共済:建物更生むてきプラス、全労済:新自然災害共済、全国生協連:新型火災共済)、地震保険の問題点(補償額の不足と高い保険料、支払査定の困難さ)について報告がされた。
  • 次に、地震等大規模災害に備えて生協共済が果たすことができる役割として「安い掛金で一定の補償を行う」「地震再保険制度の参画やキャットボンドの発行などによる支払キャパシティの確保」「地震リスクにかかわる学習や情報提供」「地域における防災減災活動」等について報告がされた。また、ホームページを比較すると生協共済の地震保障は損保会社やJA共済に比較し商品のお知らせがされておらず、多くの消費者に知られていないことが説明された。
  • 参加者からは次のような意見・質問が出され大塚委員及び各団体から説明がされた。
    「CATボンドの販売収入と損害との差額の各団体での扱い」「生協共済の役割としての自助・相互扶助の具体的な内容は何か」「各団体での地震保障の広報活動はどのよう取り組まれているか」

2.報告②「ICMIF2017年総会に参加して」

  • 崔委員より総会のテーマ(新しい時代に求められる保険をリデザインする、ヤングリーダーブログラム)、10月17日~20日に開催された総会のスケジュール、個別の報告の内容(気候変動への対処、保険に対するアクセスの改善、ICMIFによる5-5-5活動、IT・AIへの対応、P2P保険等の保険産業における新しい競争相手の登場、IAISの動向等)について報告がされた。また、ICMIFの参加を受けた今後の研究課題として「cooperativeとmutualの組織特徴」「IT、AIの発達が保険販売員に与える影響」等が考えられることが報告された。
  • 次に岡田座長よりICMFの現状と役割、総会参加者の声、持続可能な保険原則、保険開発フォーラム等について報告がされた。その後、各団体の総会に参加した役職員より総会で報告した内容や学んだこと・問題意識等について報告がされた。江澤委員からは日本の少子高齢化には世界が注目しており、日本はお手本の無い中でこの問題に対処していかなくてはならない状況にあることが話された。

3.その他報告

  • 事務局の小塚研究員より生協共済研究会「2017年度活動のまとめ、2018年度活動計画(案)」について、今後、委員及び事務局団体から個別に意見集約を行い、次回研究会で確認する旨を報告した。